2017年08月30日
こにだブックトーク/テーマ「食」を開催しました
去る7月23日(日)、約半年ぶりに『こにだブックトーク』を開催しました。
今回も前回同様に、テーマを設定して好きな本を紹介しあいました。
テーマは「食」。雑談していても、食べ物の話はとかく盛り上がるものです。身近な話題なのでとっつきやすいのではと今回テーマにしました。
初参加の方も含めて、7名のみなさんにご参加いただきました。
今回紹介された本は以下になります。
IGさん
■「富士日記」武田百合子/著(中公文庫)
武田百合子は武田泰淳の妻。富士山麓に別荘があり、そこで過ごした日々の何気ないあれこれを日記としてつけたものがこの「富士日記」です。夫の死後に出版され、百合子さんがエッセイストとして活躍するきっかけになった一冊です。
食べたものや買ったもの、近くに住む人たちや、見かけた動物の事等、何気ない日常にむけられる、好奇心にあふれたユニークな目線が好きです。食べたものの書きつけが、なぜかとてもおいしそうに見えてくるのです。
■「ひと皿の小説案内」ダイナ・フリード/著(マール社)
小説に出てくる食風景を再現した写真集です。本文が引用され、ちょっとした作品解説やメニューのうんちくがあって楽しく読めます。レシピはついていませんので、ひたすら見て楽しみます。
TKさん
■「もの食う人びと」辺見庸/著(角川文庫)
世界中の困難な状況にある人達が何を食べていたのかをルポしたもので、1997-99年に共同通信で配信したものです。
旧東ドイツの刑務所、内戦の国、病気が蔓延するウガンダ、チェルノブイリ等。よくここまで取材に行き、執筆したものだと思います。
辺見庸は石巻出身。中庸を目指して「庸」というペンネームにしたようです。
INさん
■「ビニール袋で手早くできる!野菜のうまみが活きる漬物」新関さとみ/著(PHP研究所)
この本の作者新関さんは嫁いだ先の姑が漬物上手だったそうです。その塩梅に近づけようと研究し、調味料等を数値化して、誰にでもわかるレシピとして作り上げました。これがその本です。
自分でもレシピを見ながら作ってみました。まずはレシピ通りに作り、2度目からアレンジするのがわたし流。数値がはっきりしているからこそ、そのアレンジができるのです。
きゅうりの佃煮が特にお気に入りです(編集部:当日、差し入れでごちそうになりました!)。
■「市民がつくる半自給農の世界」深澤竜人/著(農林統計協会)
著者は経済学を専門とする大学の先生。その作者が自分で10アールの畑と6アールの田んぼで自然農法を実践し、その経過を記したのがこの本です。
著者がとった農法は、土を耕さないでコメ作りをする不耕起水田というやり方。周囲から「無理」と思われていたようです。経済学で等価労働を研究している学者らしく、なるべく手をかげずに、草ぼうぼうにしながら、米づくりをすすめ、最終的には3人が自給できるほどの収穫をあげます。
私自身も畑をやっており、なんとかラクにできないかと思って、この本を手にとりました。
Nさん
■「つやつや、ごはん」出久根達郎、他/著(河出書房新社)
「つやつや、ごはん」、なんともよいタイトルです。30人位の作者が書いたごはんにまつわるエッセイを集めた本なので、とっかえひっかえしながら楽しめます。
特に印象的だったのが田中小実昌さん。ニューヨークで食べたおかゆの話を書いています。実は、田中さんをニューヨークで偶然お見かけした事があります。「あの時に食べたのかなぁ」なんて思いながら読むと、とても楽しくなります。
Fさん
■「畑のおうち-クラインガルデンの12カ月」岡崎英生/著(芸文社)
著者は山形出身で、私の友人です。出版社勤務等を経て執筆活動に入り、そののち滞在型の農園体験場クライン・ガルデンを長野県の四賀村に作りました。
この本にはその畑の12カ月の様子が収められています。化学肥料を使わずに育てたられた野菜を使ったお料理も出てきます。
以前この農園を一度訪ねたことがありましたが、人工的な音が一切なくて、別世界のようだと思いました。
TDさん
■「ジャイアント・ジャム・サンド」ジョン・ヴァーノン・ロード/作(アリス館)
昔からある絵本です。大きなサンドイッチをつくる奇想天外なお話が繰り広げられます。
■「あひる」石川えりこ/作(くもん出版)
これも絵本です。
ある姉弟の家に、少し弱ったあひるが引き取られてきました。子どもたちは喜んで、元気になるようにと、川に連れて行ったりして世話をします。
次の日、学校から戻るとあひるの姿が見えません。その晩、野菜とお肉の煮物が食卓に並びます。とてもおいしかったのですが、弟はおそるおそる尋ねます。「あれ、あひるじゃないよね?」母は「あひるじゃないよ」と答えますが、姉はなんとなく察しています。
命ある生きものをいただくということを、改めて意識する絵本です。
Sさん
■「不自然な食べものはいらない」内海聡・野口勲・岡本よりたか/著(廣済堂出版)
この本の副題は「お金より命を未来に残す」。植物はその植物の植生に沿った方がおいしくなるし、自然なのだそうです。この著者は、疲れて世話を怠った地ばいのトマトが、自然になるに任せていたらおいしくなった体験からそう気づきました。
遺伝子組み換え作物や子孫を作れない野菜などの事が書かれています。なるべく自然なものを食べたいと思いますが、そういうものを買おうとしたら現代生活ではとてもお金がかかります。せめて調味料位は自然材料のものを選びたいと思っています。
■「マクロビオティック望診法 美人のレシピ」山村慎一郎/著(洋泉社)
■「活性酸素で死なないための食事学」丹波靱負/著(廣済堂出版)
カラダの不調を感じた時に手にとった本です。カラダを救うのは食べ物なのだと思いました。
ご参加のみなさま、本当にどうもありがとうございました。
実は、早くも次回こにだブックトークの開催が決まっています。
11月18日(土)午前10時~11時30分、テーマは「野生のいきもの」です。
12月に私たち山形市立図書館ボランティアが主催となって、動物画家薮内正幸原画展を行います。
その連動企画としてブックトークを行います。
詳細は別途告知しますので、もう少しお待ちくださいませ。
Posted by 図書館ボランティア「小荷駄のみどりから…」 at 16:29│Comments(0)
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