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2015年01月11日

こにだブックトーク初冬の会レポート


2014年11月30日(日)、おすすめの本を互いに紹介しあう『こにだブックトーク』を行いました。
当日お集まりいただいたのは10名。師走がせまるお忙しい中、ご参加いただき、ありがとうございました!今回、紹介されたのはこちらの本になります。

Yさん
■「天人~深代惇郎と新聞の時代」 後藤正治/著 (講談社)
最近は、バッシング等厳しい状況にある朝日新聞ですが、かつて「天声人語」の名コラムニストとして知られた深代惇郎という人物がいました。
この本は、作者の後藤正治がその深代惇郎とその時代について、丹念にきっちり調べて書いた人物ノンフィクション。読むと、かつて言葉に力があった頃の1960-70年代の時代がわかります。
発行は2014年10月と最近です。今、改めて言葉や新聞というものを考えながら読むのによいのではないでしょうか。後藤正治は茨木のり子の評伝も書いており、こちらもよかったです。
(編集部:調べたところ、「天人」とは天声人語の愛称のような呼び名でした。「天声人語」の意は「天に声あり、人をして語らしむ」とのこと)
【市立図書館蔵書あり】霞城分館 請求記号/289.1/フカシ/

■「向田邦子 性を問う~『阿修羅のごとく』を読む」 高橋行徳/著 (いそっぷ社)
33年前に放映されていた向田邦子作のTVドラマ「阿修羅のごとく」をご存知ですか?男女の愛の並々ならぬ深さが描かれた不朽の名作です。
そのドラマのセリフを分析して、魅力に迫ったのがこの本。読んで、かつて見たドラマが自分の中によみがってきました。向田邦子は、こんなに密度を深くこめてセリフを書いていたのだなと思いました。
【市立図書館蔵書あり】本館請求記号/912.7/ムコウ/

Oさん
■「ユゴーの不思議な発明」 ブライアン・セルズニック/著 金原瑞人/訳 (アスペクト)
分厚い本ですが、児童書です。多くの絵や写真が続いていて、ところどころ文章が入る形ですので、すぐ読めます。作者のセルズニックが文章も絵も書いています。
主人公は、ユゴー少年。みなしごで駅の構内に隠れながら暮らしています。彼の夢はからくり人形を作ること。その彼の物語に、映画の創世期のエピソードやマジシャンの話などが絡みながら、お話が進んでいきます。
最後に彼が発明したものが出てくるのですが、「えっ、それ!あーそうか」と思って、腑に落ちます。
これを原作にした映画も2011年に公開されましたが、本の結末は読んでのお楽しみ!
ちなみに訳者の金原瑞人さんは作家金原ひとみのおとうさんです。
【市立図書館蔵書あり】本館請求記号/933.7/セルズ/

Aさん
■「孤舟」 渡辺淳一/著 (集英社)
主人公は大手広告代理店を定年退職した60歳の男性。退職後、家族との間に深い溝を感じる日々を過ごしています。
この本に出てくる壮年の男性たちはブラブラしているのに、女性はみな忙しく自分の時間を生きています。
主人公も最後には「これから新しく生きていこう」と前向きになっていくのですが、退職経験がある自分にはその心情がよくわかりました。定年前に、これを読んで準備するのもよいのではと思いました。
渡辺淳一の晩年の作品です。
【市立図書館蔵書あり】本館・中央・東部・北部分館 請求記号/ /ワタナ/

■「『ずぼら』人生論」 ひろさちや/著 (三笠書房)
作者は東大インド哲学科卒業の思想家。「終活なんておやめなさい」という本も書いており、最近注目しております。キリギリスとアリのたとえ話などがあり、おもしろくいろいろ考えさせられます。
【市立図書館蔵書あり】本館請求記号/159/ヒロサ/

Sgさん
■「すべてのいのちが愛おしい」「露の身ながら」柳澤桂子/著 (集英社文庫)
柳澤桂子さんは、遺伝学者で現在70代後半。若くして難病になり、ベットで暮しながら著書を発表しています。
「すべてのいのち~」は、柳澤さんがお孫さんに書いた手紙という形をとっていて、宇宙やいのちについて語りかけています。
また「露の身~」は免疫学者・多田富雄さんとの共著。多田さんも病気で闘病中で、ふたりの往復書簡集になります。ベットに寝たきりのふたりが、DNAや命の事などを書簡で語り合っています。
この2冊は自分でも読みましたが、ある友人に薦めました。実はその友人が3年間ねたきりになって、「生きることはもういいの」と言うのです。自分は、言葉にならない、なにかを伝えたくて、この本をその友人のところへ持って行きました。まだ、その友人とその本の話はできていませんが、私の中で思いのある本です。
【市立図書館蔵書あり】「すべてのいのちが愛おしい」 本館 請求記号/460.4/ヤナギ/・「露の身ながら」本館 請求記号/490.4/タダト/

Smさん
■「フラワー・オブ・ライフ 全3巻」よしながふみ/著 (白泉社)
コミックを紹介します。
主人公は1カ月遅れで新入生として入学した高校1年の春太郎。“フラワー・オブ・ライフ”とは“盛りの頃”の意。“高校1年生”という人生の中でもそこでしかない時間を3冊で描いています。
読んでいると、どんなに仲のよい友達でもゆずれない一線があったり、お互い明かせない秘密を持っていたりで、“一緒に過ごしていても、同じ時間ではないこと”に気づきます。家族同然に思っていたのに、いじわるされたり・・・。そうした複雑な心情が巧みに描かれています。
春太郎はマンガを描いており、やがて編集者といった学校や家族以外の人と接点を持つようになり、話が展開していきます。
学校の先生も一人の弱さをもった人間として登場する等、周辺のキャラクターも魅力があります。
作者のよしながふみさんは他に「大奥」が有名です。
【市立図書館蔵書なし】

Tさん
■「TPP亡国論」 中野剛志/著 (集英社新書)
TPP交渉が今最後の段階を迎えていますが、この本は2011年に書かれたTPPに関する評論です。
TPP=「トランス・パートナー・シップ」は、9カ国の交渉ですが、実質的には日米の交渉との事。
関税だけでなく、サービスなど様々な分野で規制を取り払おうというものです。
この本では、最終的になぜ日本がTPPが登場すると思考停止に陥ってしまうのかについても書かれおり、アメリカへの依存がさらに深まることへ警鐘を鳴らしています。
TPPへの理解に役立つ本としてお薦めします。
【市立図書館蔵書あり】本館請求記号/678.3/ナカノ/

Nさん
■「あしながおじさん」ジーン・ウェブスター/著 「秘密の花園」 バーネット/著
挿絵画家になるのが夢だった少女の頃に読んだ私の大切な本です。最近、100円ショップで買い直して読みました。
「あしながおじさん」は孤児の少女が主人公。大学への進学を支えてくれる、会ったことのないあしながおじさんへ毎月手紙を書きます。でも返事は一切きません。最後の大どんでん返しがおもしろいですよ。
「秘密の花園」もココロの中にいつまでも残るお話です。
こうした本を改めて読んで、少女の頃の読書を思い出しました。大人目線で読むと、入ってくるものが違って、今の自分にとってこその再発見があります。
【市立図書館蔵書あり】「あしながおじさん」本館 請求記号/93/ウエブ/・「秘密の花園」本館請求記号/93/バネツ/

Iさん
■「火を熾す」 ジャック・ロンドン/著 (スイッチ・パプリッシング)
11月始めまで図書館で展示されていた【わたしのおすすめ本】で紹介されていた本です。ジャック・ロンドンの名前は聞いた事がありましたが、古い作家という位しか印象がなく、この展示がなければ、手に取らなかったと思います。ちなみにジャック・ロンドンは20世紀初頭の作家です。
こちらの本は短編集。どの話も読みだすとこの結末はどうなってしまうのかと、グイグイ引き込まれました。現代の小説はグレーな結末という話も多いですが、ジャック・ロンドンの短篇は最後に白黒の決着がついて、ある種のカタルシスが味わえる気がします。
タイトルの「火を熾す」は、極寒のユーコン川沿いを歩く男の話。究極的に追い詰められる彼が果たして無事に生還できるかが読みどころです。
【市立図書館蔵書あり】本館請求記号/933.7/ロンド/

大切な思い出の本を沢山ご紹介いただき、本当にありがとうございました。
ブックトークを通じて、ひとつひとつのエピソードが記録として残していきたいと改めて感じました。

次回は3月を予定しています。春の訪れを待ちわびる中、また開催したいと思います。

  


Posted by 図書館ボランティア「小荷駄のみどりから…」 at 12:11Comments(0)イベント開催報告