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2014年09月30日

こにだブックトーク夏レポート

まだ暑さの残る8月最終日曜日、おすすめの本を互いに紹介しあう『こにだブックトーク』を行いました。
当日お集まりいただいたのは8名。常連さんから初参加の方までみなさま、暑い中ご参加ありがとうございました。
今回、紹介されたのはこちらの本です。8月ということだからでしょうか、「歴史・戦争・平和・広島」に絡む本が多かったようです。

Yさん
■「月と六ペンス」サマセット・モーム/著 金原瑞人/訳 (新潮文庫)
訳者の金原瑞人さんは、作家金原ひとみさんのおとうさん。1919年に出版された昔の小説ですが、若い方の訳だと楽しいのではと思って手にとりました。
主人公はストリックランドという画家です。ゴーギャンがモデルになっているようで、特異な画家の情熱的な生きざまが書かれています。
モームはイギリス人で、人物描写や会話におもしろさがあります。皮肉がきいていて、研ぎ澄まされたものを感じました。
名の知られた小説ですが、まだ読んでいないという方も多いのではないでしょうか? たまには、古い作家のものも読むとおもしろいなと思いました。ぜひ、若いみなさんに読んでいただきたいですね。
【市立図書館蔵書あり】本館 請求記号/933.7/モムウ/

Iさん
■「幻の声 NHK広島 8月6日」 白井久夫/著 (岩波新書)
8月のブックトークということで、広島を舞台にした本を紹介します。
原爆が投下された10-15分後の広島に、ラジオから電波の交信を求めた女性の声が流れたという話があったそうです。 壊滅状態の広島でそんな事が本当にあったのか、可能だったのか、放送したのは一体誰だったのか、、、その謎を追ったルポルタージュです。著者はNHKラジオディレクターで視聴者からのハガキでその話を知り、その謎を理性的に、客観的に追っていきます。
自分としては謎に惹かれてこの本を手に取ったのですが、読み進めていく事で、結果的に戦争のある一面を知ることになりました。読まなくてはならないとも思うのですが、戦争ものは気が重く、手にとりにくいのが正直なところです。が、今回は“謎を追う”という切り口が、戦争ものを読むひとつのきっかけになりました。そういう入り方があってもいいのではと思いました。

■「その日東京駅五時二十五分発」 西川美和/著 (新潮社)
もう一冊、広島に関係した本を。広島出身の映画監督西川美和さんの小説です。
ここでの「その日」は日本が終戦を迎えた8月15日。主人公は19歳の若き通信兵。一般の人より一足早く終戦を告げられて任務を解かれ、終戦の日に東京から故郷広島へ向かう鉄道の中で、幼い頃から今に至る自分や故郷、戦争や死などを回想します。
あとがきがすばらしいので、忘れずにぜひ読んでください。
【市立図書館蔵書あり】本館 請求記号/ /ニシカ/

Tさん
■「永続敗戦論-戦後日本の核心」白井聡/著 (太田出版)
強烈なメッセージで昨年から話題になっている論説本です。自分の手持ちの本では14刷にもなっています。
この作者は、「日本は敗戦を認めていない。その事によって、敗戦がずっと続いている状態なのだ」と説いています。そして、それは「日本国民に対する侮辱なのだ」と。
ドイツが敗戦の責任をとり賠償を行ってきたことと対比して、賠償をしていない日本の特異な経緯について、書かれています。この本を読むと、アメリカとの関わり、領土問題の本質がどういう事なのかがわかります。
【市立図書館蔵書あり】本館 請求記号/319.1/シライ/

Nさん
■「ネルソン・マンデラ」 カーディル・ネルソン/著 (鈴木出版)
こちらは昨年12月に95歳で亡くなったネルソン・マンデラの人生を伝えてくれる絵本。
マンデラはすばらしい人でした。黒人ということで差別や虐待を受けたのですが、白人に恨みを晴らすのではなく、全世界の人に「夢の国を作ろう」と語ったのです。南アフリカ共和国の大統領も務めました。アパルトヘイト撤廃を訴え、ノーベル平和賞を受賞しました。一方で奥さんを3人もかえたという人間くさい一面もあります。
メモを沢山書いており、文章も沢山残っています。アフリカのロベン島の刑務所に長年いましたが、その時にも書いていたようです。そのためか、本になっているものも多く、自伝も書いていて、最近映画にもなりました。「ネルソン・マンデラ 私との対話」「自由への長い道 ネルソン・マンデラ自伝」等。
私は、少女時代から偉人伝が好きでした。数年前に、マンデラがどういう世界で空気を吸っていたのかを知りたくて、ヨハネスバーグのケープタウンへも行きました。
【市立図書館蔵書あり】 「ネルソン・マンデラ」 カーディル・ネルソン/著 本館 請求記号児童書/E/ネ/

Aさん
■「天佑なり-高橋是清・百年前の日本国債 上・下」幸田真音/著 (角川書店)
借金である日本国債残高が膨大になる昨今、当時に重なるものがあるのではと、この本を手にとりました。
タイトルの「天佑」とは「天の助け」を意味します。
高橋是清は、大蔵大臣を務め、日本のケインズと言われるほどですが、若い頃をみると意外におもしろい人物。留学したアメリカで契約書をよく読まず奴隷になってしまうなど、変わったエピソードの持ち主です。銀行の仕事につく前は、英語教員、商標登録や専売特許の仕事、銀山採掘など様々な仕事をしていたようで、上巻はこうした若い日々が描かれています。
下巻では、日本銀行支店長からいろんな職務を経て総裁へとなっていきます。当時の金融界について、特に日露戦争の戦費調達での外国との駆け引き、型破りな発想力なども魅力的に描かれています。上巻は若い人に、下巻は官僚、政治を目指す人に読んでもらいたいです。
この本を読んで、かつて仕事で社債1500万ドル発行申請のために大蔵省(現財務省)の正門から国債金融局に行った事を思い出しました。
【市立図書館蔵書あり】本館・中央 請求記号・上巻/ /コウダ/1・下巻 / /コウダ/2


次回の“こにだブックトーク”は11月30日(日)午後1時30分~3時です。会場は山形市立図書館本館2階の講座室(山形市小荷駄)です。
参加料は無料で、聞くだけのご参加も歓迎です。
お申込みはメールでkonidanomidorikara@gmail.comまでお願いいたします。




  


Posted by 図書館ボランティア「小荷駄のみどりから…」 at 14:43Comments(0)イベント開催報告