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2017年03月27日

こにだブックトークレポート~大人の絵本をテーマに開催しました


2月5日に「大人が楽しめる絵本」をテーマに<こにだブックトーク>を開催しました。
参加者は11名。寒い冬の朝でしたが、にぎやかに本のおしゃべりが弾みました。
みなさん、お気に入りが沢山あったようで、複数の本をご紹介くださったのですが、ここでは主だったものを記載します。

① FKさん
「かぜのでんわ」いもとようこ/作・金の星社
2011年の震災で被害の大きかった大槌町に実在する公衆電話を題材にした物語です。
この電話では、震災で天国にいった人たちと話ができるというのです。絵本では動物たちが電話をかけにやってきます。とてもあたたかい絵で描かれていますが、やはり読んでいて涙がこみあげてきます。
今でも、この電話は実在し、話をしにやってくる方がいらっしゃるそうです。心の復興につながるとよいなと思っています。

② NRさん
いせひでこさんの絵本いろいろ「最初の質問」等
私は自分も絵を描くのですが、いでひろこさんは、日本一しっかりした絵を描く絵本作家の方だと思っています。
やさしい絵が多く、チェロや大きな木、雲を描いたものが特に素敵です。また藍色がとても美しいのです。
以前秋田で展覧会があり、原画を見ましたが、枯れたひまわりなどが味わい深く描かれていました。
阪神の大震災に関する「1000の風、1000のチェロ」やエッセイもお勧めです。
ちなみに夫は柳田邦夫さんです。

③ IYさん
「絵で読む広島の原爆」那須正幹/文・西村繁男/絵・福音館書店
22年前の本です。
戦争当時の広島の日常生活を素材に、丁寧に丹念に描かれています。作者自身も3歳で被爆しています。
目を背けるような絵はないのですが、当時の様子をしっかり描いていると思います。
取材をしながら制作したとのこと。取材先のみなさんはどなたに聞いても「死んだ人は自分と共に生きている」という事をおっしゃっていたようです。
映画「この世界の片隅に」も見ました。淡々と日常を描くことで伝わるものがあると、2つを併せ見て感じました。

④ SKさん
「銀河鉄道の夜」宮沢賢治/原作・KAGAYA/画・河出書房新社
「銀河鉄道の夜」宮沢賢治/原作・藤城清治/影絵・講談社 
「銀河鉄道の夜」といえば、私たち世代は松本零士さんの「スリーナイン999」が思い出されるところですが、いろんな方が題材にして作品をつくっています。
米沢出身のますむらひろしさん、影絵作家の藤城清治さん。他にKAGAYAさんというコンピューターで絵を描く方も作品にしています。
KAGAYAさんをご存知でしょうか。この方の星と景色を合わせた写真の作品は、幻想的でとても美しくお勧めです。
「銀河鉄道の夜」には、いろんな人を魅了する要素があるのだと思います。

⑤ OKさん
「ZOOM」イシュトバン・バンニャイ/作・ブッキング
見るだけで楽しめる、言葉や説明のいらない外国の絵本です。作者はハンガリーの方です。
ある少年が海でカメラを拾った所からお話は始まります。
カメラに収められた風景にどんどん入っていく=“ズームアウトしていく”様子がひたすら絵にされています。観ているとだんだん自分も一緒に別の時空をさまよっているような感じがします。
どこまでズームするのか、ぜひページをめくってみてください。


⑥ TKさん
「絶滅寸前!昭和グッズカタログ」倶楽部ひょっとこ/編纂・辰巳出版
絵のある本という意味で、昭和カタロググッズ本を持ってきました。
懐かしい商品が沢山載っていて、大人が楽しめる本です。
“引越や芋煮会で使ったリヤカー”“子供のころ、寝る前に家族分用意した湯たんぽ”“早く大人になりたいと思っていた頃あこがれた整髪料”など、昔懐かしいものをたくさん見る事ができます。

⑦ ICさん
「ブローチ」内田也哉子/文・渡邉芳重/絵・リトルモア
ここ数年で一番大切にしている絵本です。
タイトルの「ブローチ」は自分の奥にある確固たる自己を象徴したものを示しています。大人になっても自分の進む道に迷う事があります。そんな時に、「自分はこれで大丈夫なのだ」と心の深い所で自信がもてる気持ちになれる本です。トレーシングペーパーのような薄い紙に絵と詩が印刷されていて、複数の絵が透けて見えるので、美しい余韻のある印象を受けます。


⑧ FTさん
「ブラザー イーグル、シスター スカイ~酋長シアトルからのメッセージ」スーザン・ジェファーズ/絵・徳岡久生+中西敏夫/訳・JULA出版局
アメリカ独立戦争の頃、シアトルの土地を没収された部族の酋長の言葉を聞き書きした絵本です。
大変印象的だったのが酋長の「空が金で買えるか。雨や風を独り占めできるか。」という言葉。
古い本ですが、地球の温暖化などにゆれる現代の今読んでも、「人間は万物とつながりあっている」という酋長の言葉に共感できるものがあります。
日常の中でふと忘れてしまっていることを語りかけてくれる絵本です。自分と対話する、そんな時間が持てるといいなと思って今日は持ってきました。

⑨ TAさん
「悲しい本」マイケル・ローゼン/作・クェンティン ブレイク/絵・あかね書房
この本は、最愛の息子を失った男性の言葉によってつづられています。
そこには、「悲しみとか何か?」という事が描かれています。
「悲しいのに、しあわせなふりをするのは大変つらい事。悲しい時は悲しんでいいんだよ」と読む者に語りかけてくれます。また、逃げるすべを身につけることも大切な事なのだとも。
重い本ですが、大切な一冊です。
クェンティン ブレイクさんの絵もとても印象深いです。

⑩ SMさん
「鹿よ おれの兄弟よ」神沢利子/作・GDパヴリーシン/絵・福音館書店

シベリアの狩人の家族が、鹿をとって暮らすお話です。
この本を読むと、「鹿と狩人」の関係は、たんに捕って捕られてではないということがわかります。共に生きている様子が、交流する様子が描かれているからです。
世界各地の先住民のみなさんが持っている考え方をもとに書いているようで、FTさんの紹介した酋長の話にも通じる所があります。

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大人にとっての絵本とは・・・「日常とは違った時間を与えてくれるひとつのきっかけ」なのだと今回のブックトークを通じて感じました。「時間をかけて絵本の中にある物語や考えにゆっくり触れる。そんな時間が贅沢なのだ」と思います。
ご参加のみなさま、すてきな本をたくさんご紹介いただき、ありがとうございました。

また、次回もテーマを設けてブックトークをしたいと思います。


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Posted by 図書館ボランティア「小荷駄のみどりから…」 at 10:37│Comments(0)活動報告
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